MochiOS@仮想ファイルシステムの作成part7

MochiOS@仮想ファイルシステムの作成part7

前提知識無しで作るなんちゃって仮想ファイルシステムpart7。

開発日記です。独り言です。

これまでのあらすじ

part 内容
0 仮想ファイルシステムを作りたい宣言をする。
1 ざっくり仮想ファイルシステムの機能を決める。
が、機能呼出し先の仮想ファイルシステムのタスクIDをどう取得するかという問題に気付く。
2 カーネルにタスク名登録機能を実装した。
これでタスク名からタスクIDを取得する事が出来る様になるハズ、なので試したいが試す方法が無い事に気付き、ログ出力タスクの開発を宣言する。
3 ログ出力の為に使うvsnprintf()の仕様を調べる。
4 ログ出力タスクを開発してタスク名からタスクIDの取得機能が正しく動いている事が確認できた。
5 mount機能を実装した。たぶんできてる。
6 FDどうやって管理しようかー。メッセージのやり取り制御を状態遷移で制御しようかー。とか考えて、open機能を実装した。たぶんできてる。

writeの仕様を考える

今回はwrite機能を作ります。
仮想ファイルサーバとしては、openもwriteもあんまりやること変わらないハズ。なので簡単にできるかな~と思っている。
あ、キャッシュなんて何にも考えていませんからね。

ユーザタスクmvfsシリアルポートドライバローカルFDテーブル参照write要求( グローバルFD, アドレス, データ, データサイズ )グローバルFDテーブル参照vfsWrite要求( グローバルFD, アドレス, データ, データサイズ )デバイス書込みvfsWrite応答write応答書込みアドレス更新ユーザタスクmvfsシリアルポートドライバ

シーケンスの順番は何も変わらず、渡すデータとちょっと間にやる事が変わったくらい。
(こうやってシーケンスにしてみると良く分かるのだけど、データのコピー回数の多さ。マイクロカーネルだとメッセージパッシングが主なデータのやり取りとなる(?)わけだけど、4回のデータコピー(ユーザタスク→カーネル→mvfs→カーネル→シリアルポートドライバ)が走るので性能が落ちる。)

以下、メッセージ仕様。

■ write要求メッセージ

offset size 内容 意味
0x00 4 機能ID 0x0000_0003 write
0x04 4 タイプ(要求/応答) 0x0000_0000 要求
0x08 4 グローバルFD 任意 -
0x0C 8 アドレス 任意 -
0x14 4 データサイズ 1~24,064 -
0x18 1~24,064 データ 任意 -

なぜ24,064かというと、現在のMochiKernelで送信可能なメッセージの最大長が24,576byteなので、そこから-512byte(ヘッダとかも含めるので)減らした。適当。
そもそも、なんで24,576にしたんだっけ…

■ write応答メッセージ

offset size 内容 意味
0x00 4 機能ID 0x0000_0003 write
0x04 4 タイプ(要求/応答) 0x0000_0001 応答
0x08 4 処理結果 0x0000_0000
0x0000_0001
成功
失敗
0x0C 4 書込み実施サイズ 0~24,064 -

■ vfsWrite要求メッセージ

offset size 内容 意味
0x00 4 機能ID 0x0000_0004 vfsWrite
0x04 4 タイプ(要求/応答) 0x0000_0000 要求
0x08 4 グローバルFD 任意 -
0x0C 8 アドレス 任意 -
0x14 4 データサイズ 1~24,064 -
0x18 1~24,064 データ 任意 -

■ vfsWrite応答メッセージ

offset size 内容 意味
0x00 4 機能ID 0x0000_0004 vfsWrite
0x04 4 タイプ(要求/応答) 0x0000_0001 応答
0x08 4 グローバルFD 任意 -
0x0C 4 処理結果 0x0000_0000
0x0000_0001
成功
失敗
0x10 4 書込み実施サイズ 0~24,064 -

実装してみた

大体、Openと同じような動きなので、あっさり実装。
(とはいえ、mountもopenもwriteもかなり適当に実装しているので、だいぶ改造やリファクタリングしていかなきゃならない。いずれそれをやる予定。)

とりあえず、実行結果をば。
write実装した画面

何をやっているかというと、

mttymvfsシリアルポートドライバwrite要求( "tes" )vfsWrite要求( "tes" )デバイス書込みvfsWrite応答write応答write要求( "tes" )vfsWrite要求( "tes" )デバイス書込みvfsWrite応答write応答mttymvfsシリアルポートドライバ

こんな感じ。
mttyはサーバタイプで、ラインディシプリンとかセッション管理とかそういうのを実装していこうと思っているプロセスです。今回は、このmttyが「/serial」ファイルをオープンして(上図では省略)二回「tes」という3バイトのデータをwriteしています。
シリアルポートドライバは、vfsWriteを受け取ったら、そのデータを1バイトづつ転送レジスタに書き込むようにしました。
(本当は、転送レジスタの空きがあるかチェックしたり、FIFOいっぱいだったら割込み待って書き込むとか必要なんだけど、ちょっと試したいだけだったので省略。真面目にやると、割込み待ちとメッセージ待ちの両方を行わせる事が現状できないので、カーネルの機能を追加しないといけない。)

qemu上で動かしているので「-serial telnet::4444,server」オプションを使う事で、telnet接続でシリアルポートに接続させることができるようにしています。

次!read。ほぼ、writeのコピペでいける気がする。テキトーに。

コメント

このブログの人気の投稿

プライバシーポリシー

git@よく使うコマンド早見表

MochiOS@仮想ファイルシステムの作成part10